コンビニ人間/村田沙耶香

(これは4年前の記事です)

 

フォロワーがすなるはてブロいふものを私もしてみむとてするなり。

 

 こんばんは、大学生です。最近よくフォロワーさん達がはてブロを書いているのを見るので言語化オタクの私も書いてみようかなと思って始めてみました。はてブロをやってみたくてとりあえず開設したので何をするか決めてなかったのですが、面白い日常も旅行も現場もない生活をしているので最近読んだ本の感想をおいていくブログにしようと思います。 

 元々活字中毒で一心不乱に本を読む中高生だった私ですが、スマホを手に入れて一生文字が流れてくTwitterを始め、さらに大学生になって徒歩通学になったのもあり最近はあまり本を読まなくなっていました。 去年1年間では本を元々読んでるシリーズの続刊を除いては3冊ほどしか本を読んでいなかったことに気づいたので今年は本を沢山呼んで色んな価値観をインプット出来たらいいなと思ってます。

 ……ここまで書いて思ったのですがなんか私が思ってるはてブロと私が今書いてる物が違いすぎて困惑してます。 なんかこう……もうちょっとフランクで読みやすい物のイメージだったのでただダラダラと読みにくいものを書いててショック(?)なのですがしばらく続けていたら感情の言語化も文章化も上手くなるかなと思ったので良しとします。

 

 前置きが思ったより長くなったのですが本題に入ります。

 コンビニ人間/村田沙耶香

 元々Twitterに感想を投稿して後からモーメントにまとめる予定だったのでそのツイートを貼ります。

 

読み返すと内容が1ミリもない感想で面白くなっちゃったんですがネタバレなしで感想を言うには私にはこれが限界でした……

 

 

以下ネタバレを含みます

 

「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…………。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。解説・中村文則

これは文庫の後ろに書いてあるあらすじなのですがいや軽やかに問いすぎだろ

主人公の古倉恵子は一言で言えば「周りと合わない社会不適合者」だ。他人の痛みがわからない、他人が何を考えてるかが分からないがとりあえず周りと合わせようとしている。例えば主人公は幼稚園の時公園で死んでる雀をみて「焼き鳥にしよう」と思う。周りの子供がなんで悲しんでいるかわからない 主人公の頭にあったのはこの雀を料理すれば家族が喜ぶんじゃないかということだけだ。母親がほかの雀もとってこようか?という主人公に必死で「かわいそうでしょう?お墓を作ってあげようね」といってるのも理解できない。

私は、父と母とまだ小さい妹が喜んで小鳥を食べているところしか想像できなかった。父は焼き鳥が好きだし、私と妹は唐揚げが大好きだ。公園にはいっぱいいるからたくさんとってかえればいいのに、なんで食べないで埋めてしまうのか、私はわからなかった。 

 

みんな口を揃えて小鳥がかわいそうだと言いながら、泣きじゃくってその辺の花の茎を引きちぎって殺している。「綺麗なお花。きっと小鳥さんも喜ぶよ」などと言ってる光景が頭がおかしいように見えた。

主人公に思いっきり共感するという人はいないだろうが全く共感しない人もいないだろうという所はこういうところだ。2個目の引用の部分読んだ時私は(確かにその気持ちわかんなくもないけど……いやでもそれはちがうだろ……)と思った。この他にも小学生の時男子が喧嘩してクラスメイトが「誰かふたりを止めて!」と言ってるの聞いて箒の柄で殴って"止め"たりしている。

 主人公のこの性質は成長によって「治る」ことはなく妹が子供を必死にあやしているのを見て(黙らせるだけなら簡単なのに……)と果物ナイフを見ながら思う。  家族はそんな主人公を心配していて早く「治って」ほしいと思っている。主人公は大学生でコンビニバイトを始め、そのまま18年間コンビニバイトをしているのだが、バイトを始めた時家族はこれで社会に娘が溶け込めると安心したがもう36にもなるのにまだ就職せずにコンビニバイトに執着している主人公に焦りを感じている。 当の主人公は18歳でコンビニバイトを始めた時は家族みんな喜んでくれていたのに今はよく思っていない理由がわからない。

 この部分を読んだ時私はシンプルに「やば……」となった。自分の甥っ子を端的に言えば殺して黙らそうとしたことや、36歳までコンビニでバイトした経験しかなく、その事を家族が心配していることも分からないのヤバすぎ……。幼稚園の時の公園でのエピソードを読んだ時はわかんなくもないな……と思った私は36までそのメンタリティが変わらない主人公をみて怖……となった。理由は前者は子供の無邪気さ、で許されるが19歳の私にとって36歳というのは"大人"で"ちゃんとしている"ものだったので衝撃だった。まだ学生でしかも大学生というモラトリアム期間にいる私は"ぼーっとしといてもまぁ時間が経てばなんとかなるだろ"と何となく考えていたが、ひたすらコンビニの1部になって働き周りの人間の真似をしながら生きてる主人公がいつの間にか"異端"として排除されようとしている姿が(私自身も主人公を異端と感じた)とても恐ろしかった。自分もこのままぼーっと流されながら目の前の事象をこなして言ってたらこうなってしまうのかな……と思って。ここで冒頭引用したあらすじに戻るのだが

現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。

こんなに軽やかに問われてたまるか……

 この小説は150ページ程度で1文も短くとても読みやすいので1時間程度で私は読み切ったのですが、スナック感覚で1時間で読んだ小説で自分の将来や世界のことをすごく考えさせられ、誰か読んだ人と感想を言い合いたいとなっているのですごいさすが芥川賞……(芥川賞の事何も知らないですが)

 

そうやって少しずつ集団から排除されそうになっている主人公が働いている